2006年6月13日

イスラエルで首相を務め、後にノーベル平和賞をとったメナハム・ベギン氏が、若い頃にイスラエルのテロ組織「イルグーン・ツバイ・レウミ」の指導者だったことは有名ですが、彼が1952年にフランスで摘発された、イスラエル人テロリストによる、アデナウアー首相暗殺未遂事件に加わっていたことが明らかになりました。これは、この事件の容疑者の一人が、ベギンの死亡後、1994年にイスラエルで自費出版した本の中で明らかにしたものです。

この本によると、ベギン氏は西ドイツのイスラエル政府に対する損害賠償に反対するため、4人のイスラエル人コマンドに、アデナウアーにあてた小包爆弾で、首相を暗殺するように指示し、資金援助もしました。爆弾は、ミュンヘン市警察が押収しましたが、警察署で爆発し、警察官一人が死亡しています。

ドイツのジャーナリストが、アデナウアー暗殺未遂事件についての本を出版し、その本を読んだイスラエル人が、犯人の回想録をジャーナリストに送ったことから、この事実が明らかになりました。ベギン氏は亡くなっているので、本人に確認はできませんが、もしも事実だとしたら極めて興味深いことです。スピルバーグの映画「MUNICH」や、EllieWieselの「夜」三部作を連想させる話です。